×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

愛され妹紅は矛盾で踊る





「私ごと射て! ずっと先輩の矢で私の体を射貫いて欲しかったの! 大好きな人に射貫かれて死ぬのを想像すると、私は興奮して夜も眠れなかったの。頭がおかしいのかもしれない、変態なのかもわかんない。でもどうにもその思いを止められなかったの。理屈じゃないの。理屈をはるかに上回るものがあるの。それは衝動、それは欲望。ねぇ美和子教えて、恋も、その一つなの?」
                 
 著・大槻ケンヂ
【ゴシック&ロリータ幻想劇場「妖精対弓道部」より引用】







  愛され妹紅は矛盾で踊る


 私、蓬莱山輝夜は藤原妹紅を愛している。
 殺したいほど愛している。殺されたいほど愛している。
 二人の時は永遠で、それを共有できるお互いが愛し合うことは必然なのだ。
 彼女の炎で私を燃やして欲しい。灼熱に包まれて彼女の愛を肌で感じたい。不死の煙となって彼女を包みたい。死という究極の愛情表現で私の愛を知ってもらいたい。
 殺し合いが殺し愛、なんてジョークを笑う奴がいる。だけどそれはまさに私たちの恋慕の行きつく先なのではないか、と私は思う。
 生きることにしがみつく、人間のような、妖怪のような、そんな存在からは嘲笑されて当然なのだろう。

『また不死の女どもがとち狂ってる』

 私が妹紅と愛の営み、殺し合いをしていると指を指されて馬鹿にされることがある。
 彼らは理解できないから私たちを狂ってるの一言でかたづける。
 それでも構わない。むしろそれがいい。だって私たちは愛し合っているのだから。
 恋愛というのは矛盾で出来ている、と誰かが言っていた。その通り。
 私たちの恋愛は矛盾なのだ。
 お互いを憎み、裏切り、殺し合う。それこそが二人の深愛。端から見たら狂っている遊びこそが愛の営み。狂気のゲーム。
 永い永い時間を食いつぶすにはスパイスが必要だ。生に興味がないからこそ、殺し合って生に執着させる。さながら薬物中毒者、ジャンキーだなんて言ってるやつもいた。
 つまりは。
 つまり、何が言いたいのかというと。
 私、蓬莱山輝夜は藤原妹紅を愛している。
 その紅蓮の炎で燃やされたい。
 殺して欲しい。
 憎み合うことで愛されたい。
 罪を背負って、罪を重ねて、一生悶え苦しんで。
 貴女と私を繋ぐ不死の鎖がある限り、この退屈な永遠に刺激を与えて欲しい。
 ああ、妹紅。藤原妹紅。
 この切ない気持ちを止めるには貴女じゃないと物足りないの。
 だから妹紅、お願い。
 今日もこの永い時、永い夜、永く終わらない二人で。
 あの無常な月も私たちを見下してるから。
 見せつけてやりましょう、二人の愛憎劇を。
 ――だから妹紅、今日も一緒に遊びましょう?


「――悪いな、輝夜。今のわたしは殺し合いには興味がないんだ」
「も、妹紅? 何をいってるの?」
「お前とのくだらない遊びに興味がなくなったっていったんだよ」
「なっ……!」
 意味がわからない。私たちは愛し敬う関係だったじゃないか。死にあってこそ永遠を食いつぶしてたじゃないか。
 それを、くだらない遊びだなんて。
「妹紅、どうして」
「私を必要としてくれる人たちが出来たんだ。私は一人じゃない。不死の私を受け入れてくれる人たちに心配はさせたくないからさ……」
「なによそれ……」
 馬鹿にするな。
「最近里の人たちや、その、とある教師と仲良くなってさ。優しいんだあの人たちは。バケモノ同然の私を受け入れてくれた。だから恩返しがしたい。そのためにするべきことはたくさんあるから殺し合いなんてする暇はないんだ」
「なによそれ」
 私たちの今までを否定するな。
「だからさ、こんな不毛なことはやめよう。輝夜、お前も気がついてるだろう。無駄に時を捨てる遊びなんて意味のないことに。そうだ輝夜、お前も一緒に里の人たちと」
「――なによそれっ!」
 ふざけるな!
「妹紅は私より里の人や教師とやらのほうが大切なの? 私との殺し合いはくだらないっていうの? ねぇ妹紅、答えてよ!」
「急にどうしたんだよ輝夜……」
「どうしたもこうしたもないわよ! 貴女だけはわかってくれてると思ったのに!」
「なにをいってるんだよ、たかが殺し合いじゃないか。そんなことよりもするべきことがわたしたちにはあるじゃないか」
 そんなことよりも?
 私だけが踊らされてたの?
 貴女のことがこんなに好きなのに理解されてなかったの?
「妹紅、そんな」
「……わたしはこれから里の人たちのお手伝いにいくから」
「妹紅」
「輝夜、わたしたちもそろそろ考え直すときがきたんじゃないか?」
「……やめてよ」
「じゃあな、輝夜。次会うときは里のみんなにお前を紹介できたらいいな」
「妹紅の馬鹿っ!」
 胸がどうしようもなく苦しい。
 だから私は逃げ出した。この場から、逃げた。
『私』を否定されたような気がしたから。
 何も見えない、何も聞こえない、何もできない。そんな感情が心から湧いてくる。
 それに飲まれないように。
 妹紅に否定されたことを認めたくないように。
 すべてを投げ出すように。
 私は逃げた。走った。そして行きついた先は竹林のどこか。暗闇が空を飲み込んでいて開けた場所。
「妹紅…………」
 気がつくと私は泣いていた。自分でも自制が効かないくらい泣いていた。

――嫌われた。

 そんな感情に近いからだろう。妹紅に嫌われてしまったのではないか。そう考えただけで不安が心を覆った。
 妹紅、愛してる。それを否定されてしまったから。
 私は声にならないくらい泣いて、暴れた。
 嫌だ、嫌だ、嫌だ。
 無我夢中でもがいた。私が壊れてしまいそうだったから。それだけ妹紅に依存していたから。とにかく暴れた。やりきれなかったから。
 ……そして気がつくと、私は笑っていた。だんだん面白くなってきたのだ。
 妹紅を愛して、否定され、私は悔やんだ。
 だけどそれが私の目指す愛のカタチなのだ。
「そうよ、うん。そうよね、アハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
 妹紅の炎が燃え上がるように、恋愛の炎も燃え上がる。
 そして恋は矛盾するもの。ましてや月の民の私なら尚更。
 だって私は狂ってるから。
 幻想郷にとって月は悪、ヒールである。
 なら私もヒールになろうじゃないか。矛盾で妹紅を愛そうじゃないか。
 墜ちるところまで墜ちて、そして愛してもらおうじゃないか!
 だってそうでしょう、妹紅。
 私たちはそういう関係だったじゃない。
 これまでも、そして、これからも…………。


 里。相変わらず居心地の悪い。喧騒が嫌い。どうも私は幻想郷に未だ馴染めてないらしい。
「姫様、急に人里にきて何をなさるおつもりで」
「永琳、貴女はただ私の指示に従ってればいいの」
「……はい、仰せのままに」
 横にいる奇妙な柄の看護服を着ている女、私の従者である八意永琳が私に問いかけてくるが冷たくあしらった。
 なぜなら月の頭脳とまでいわれた彼女がこれから私のすることと理解してないわけがないからだ。
 言葉を交わすことで存在を確認している。
 この広大な幻想郷において数少ない月の民のうちの二人である私たちは、無駄に会話することで安心を得ているのだ。
「永琳、『嫌い』って感情は面白いわね」
「…………」
「人に嫌われる、ということはその前に『好き』という感情が多かれ少なかれあったということなのよ」
「……この世には、模倣品というものがあります。レプリカ、ともいいましょうか。それが生まれるにはオリジナルが必要です」
「そう、嫌いという感情はレプリカなの。飾り、粗悪品。そして偽物が本物を超えるとき。レプリカがオリジナルを超えたとき。そこに答えがあると思うのよ、私は」
「嫌い、が好きを超えたとき。そこに待ち受けてる答え、姫は何だと思っていますか」
「答え……。そうね、私の見いだした答えは……」
 私は里の人々に目を向ける。色々な人々がいる。
 働いている男たち、遊んでいる子ども、買い物している母親、その他大勢。
 幸せそうに、不幸せそうに限られた時間を精一杯生きている。
 私は彼らに向かってありったけの弾幕を撃つ用意をする。
「私の答えはその先にこそ真実の、熔けてしまうほど熱い愛があるってことだと思うわ」
 少しだけ笑みがこぼれる。
 それは自分に対してか、永琳に対してか、そして妹紅に対してかはわからない。
 そんな笑みすら霞むような弾幕の閃光を、私は里の人々に向かって撃った。
 悲鳴が聞こえる。里を襲撃された彼らは阿鼻叫喚している。いわゆるパニックだ。
「妹紅、もっと私を嫌いになって」
 民家が燃え、人々が叫ぶ光景。それに見とれながら私は弾幕をひたすら打ち込んでいった。
 ――この衝動が、妹紅に届きますように。

 永遠亭。私たちの住処。その一室。
「わざわざ縛り付けて。お前たち、馬鹿なマネはよさないか……?」
「たかがハクタクが。口を慎みなさい」
 里を荒らした私が次に取った行動は、あの妹紅のお気に入りであろう教師を拉致することだった。
 名は上白沢慧音というらしい。白沢〈ハクタク〉という種族の女。
 私の妹紅に手を出した女。薄汚れた獣。この女だけは許さない。
 

 憎い。
 

 ひたすら憎い。
 憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。
「姫様っ! ……その辺りで」
「…………そうね」
 愛情は、感情は矛盾する。
 私がこの女、慧音を心の底からひたすら憎むことで矛盾を生んでしまう恐れがある。
 慧音が憎いという感情で心が埋め尽くされてしまったとき、それが愛憎となってしまう場合がある。
 私の心を占領していいのは妹紅、貴女だけ。
 だから、この目の前の女はただ邪魔なだけ。虫けらと一緒。深入りしてはいけない。
 私は慧音には機械的に接しなければならない。だから感情など捨ててしまえばいいのだ。
「月の民ども、お前たちは里をめちゃくちゃにしたな」
「そうね」
「何故、何故そんなことをした!」
「さぁね。知らないわ」
「馬鹿にするのも大概にしろ!」
「馬鹿になんてしてないわ。だって私の眼に貴女は映ってないから」
「なっ……!」
 これでいい。冷静に、何も考えず、自然体で。慧音が目的じゃない。あくまでも前菜。それもこれもメインディッシュのためだ。
「理由があるとするなら、メインディッシュが欲しいの。熱くて死んでしまうくらい美味しいメインディッシュが欲しい」
「ふざけるな! そんな訳のわからない理由で里は……」
「里、ね。だって料理には調味料が必要じゃない」
「たわごとを!」
 慧音は縄で縛られた身体で必死に私に向かってくる。それを永琳が踏みつけ、慧音の身動きを再びとれなくする。無駄なあがき。
「お前たちは狂ってる!」
「ええ、姫様も私も狂ってるでしょうね。地上のお前たちから見れば!」
 永琳が足に力を込める。慧音の悲痛な叫びが周囲に響き渡る。
 そうよ、もっとアピールしなさい。
 貴女が汚した女を呼びなさい。
 その悲鳴が、私と妹紅のラブコールなのだから。


 やがて慧音の喉も枯れたころ、その時はきた。
「輝夜ァァァァァァァァッ!」
 壁を蹴破っての妹紅の登場。私は正直喜びを隠せなかった。
 来てくれた。
 妹紅が来てくれた。
 私が憎い、という感情を胸一杯にしてきてくれた。
 今、貴女の心は私で犯されている。満たされている。想われいてる。
 私……愛されちゃってる。
「輝夜。言い訳はあるか?」
「さぁね。何のことだかわからないわ」
「どうして里を襲った!」
「…………」
 声を荒げて私に問う妹紅。怒りを隠すつもりもないらしい。
 そうよ、もっと強く、私を憎んで。
「輝夜ァ! 答えろ!」
「暇だったから。暇つぶしの相手がいなくなっちゃって退屈してたのよ」
「調子にっ乗るなぁっっっっ!」
 妹紅の拳が私に飛んでくる。私はそれをあえて顔で受け止める。痛い。口の中が切れてしまったみたいで、鉄の味が舌に広がる。
 ……美味しい。妹紅の、憎悪の味。
 もっと強く。もっと荒く。私を歪めてほしい。私たちの愛は苦しみで通じ合うのだから。
「妹紅、私に手荒なマネをしてもいいの? こっちには人質がいるけど。……永琳」
「はい、姫様」
 私は永琳に〈足に力を込めろ〉と合図する。
「うぅっ……あぁあぁぁっ!」
「慧音っ! 輝夜、今すぐやめさせろ!」
「貴女が挑発したんじゃない。暴力なんてみっともない」
 私は妹紅に微笑みかける。
 結局、妹紅の本命は慧音なのだろう。それでも私を今だけは想ってくれる。
 殺し合いの時。彼女は昔の因縁を思い出し、私に酷い嫌悪感で勝負を挑んでくる。
 だけど、そこには偽りのない二人だけの世界が存在する。
 そして今まさに二人だけの緊迫した世界がここに存在する。私はそれが嬉しくて妹紅に微笑んだのだ。
 さぁ、遊びは終わり。この先は子どもの仕付けと同じ。
 お片付けしましょう、妹紅?
「妹紅」
「……輝夜、お前だけは許さない」
「妹紅。――私は貴女を愛しているわ」
「わたしを……わたしをどこまで馬鹿にすれば気が済むんだ輝夜ァっっっっ!」
「そうよ。もっと怒って。愛してるわ、妹紅」
 精一杯の愛の告白。矛盾した状況。
 妹紅、貴女の愛を私にぶつけてほしい!
「輝夜、わたしに何を求めてるんだ。いつでもお前は邪魔ばかりして! 苦しめて! 挙げ句の果てに愛してる?」
「そうよ、愛してる」
「……わたしには意味がわからない」
「わからなくていいわ。世の中は理屈じゃないって不死の私たちが一番理解してるじゃない」
「……………………」
「妹紅、私が憎い?」
「……憎い」
「妹紅、この教師を助けたい?」
「……助けたい」
「それなら」
 私はそういって自分の胸に手を当てる。
 これでいいのだ。そう、これでいい。
「私のここに、貴女の火の鳥を打ち込みなさい。一撃でしとめなさい。私を殺しなさい。貴女の炎で不死の煙に変えなさい。それですべては解決するから」
「……お前、どうかしてる」
「私、オカシイのよ。妹紅、貴女が一番それをわかっているでしょう?」
「…………いいんだな、それで」
 妹紅は両手で炎を立ち上げる。
 その炎は総てを飲み込む炎、愛の炎、私を殺すために作られた炎.


――素敵。


「さぁ、妹紅。私の心臓を貴女の火の鳥で貫いて! 憎悪の業火で包み込んで! 灼熱に身を焦がされたいの! 骨まで朽ちるくらいに熱くとろけるような貴女の炎で! 身体の隅々まで、脳まで、心まで、全部がカラッポになるくらいの殺意を向けて! 殺せ! 殺せ! 私を火の鳥で殺せぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!」
「――【火の鳥―鳳翼天翔―】」
 妹紅の創り出した火の鳥が私めがけて迫ってくる。
 なんて美しく結託のない火の鳥。私だけがこの殺意を独占できる。
 あぁ妹紅。ありがとう、愛してくれて。私、幸せ。
――――これで私たちは、また結ば

























 眼が覚めると私は永琳の診察室のベットで寝ていた。和室にベットは似合わないと思うのだけど、そこまで気にはしていない。
「……姫様、お目覚めで」
「すっかり傷も癒えちゃってるわ。つまらない」
 私の身体に刻まれた傷もキレイさっぱりなくなってしまっている。不死の自分が恨めしい。
「永琳、今回の〈遊び〉は如何だったかしら。矛盾した遊び。月の民の戯れは」
「……まぁまぁ、だったのではないでしょうか」
「そう? フフ、私は結構楽しめたわよ」
 私は永琳にそう告げるとベットから降りて部屋を出ようとした。
「姫様」
「永琳、まだ用があるのかしら」
「……今回の主犯は、姫様ですか。それとも」
「さぁ? 色恋沙汰に矛盾はつきものじゃない」
「姫様も彼女も、人が悪いというか何というか」
「――永い人生なんだから楽しまなきゃ損じゃない」
 私は妹紅が好き。それはあらゆる感情で好きなのだ。
 だからどんな手を使っても愛したいと思う。
 それは、今回の協力者も同じだったのだろう。
 妹紅、真っ直ぐな貴女に矛盾は理解できるのかしら。出来なくても、きっと時が解決してくれるだろうけどね。
 みんな、妹紅のことが大好きなのよ。結局そこに理由なんていらないわね。
 あぁ、それにしても楽しかった!




  <エピローグ>




 私、上白沢慧音は藤原妹紅を愛している。
 強く、気高く、美しい彼女を愛してしまうのは必然だ。どんな彼女だって愛している。
 自らの強さを持った彼女も。
 人に慈愛で接する彼女も。
 そう、そして狂気を人に向ける彼女でも。
 私は月の姫、蓬莱山輝夜にある日相談された。

「――妹紅に殺されたいの」
 最初は何をいっているのかと思ったが、話を聞いているうちに私にもある感情が湧いた。

 妹紅の心を傷つけたい。

 これこそ輝夜のいう矛盾なのだろう。妹紅をめちゃくちゃにしてやりたい。
 だからそれを手っ取り早く実行するために輝夜の話に賛同した。
 実は人里は私の能力で何事もなかったかのように元通りになっている。そのあたりはハクタクとしてぬかりない。
 輝夜に拉致されたのも演出だ。……あの医者は本気で私を殺すつもりだったのかもしれないが。月の民の考えてることは相変わらず分からない。
 だけど私も同じなのかもしれないな。
 そして、妹紅に殺される輝夜をみて正直羨ましいと思ってしまった。妹紅は輝夜にしか殺意を向けてくれないから。
 月の民、この次にお前たちの言う遊びをするなら。
 その遊びはもっと妹紅をめちゃくちゃにしてやるような遊びにしようじゃないか。
 やはりみんな妹紅のことが好きなのだ。だから人里にも保険をかけているし、まさに遊びだ。
 ……さてと。
 今から妹紅にネタばらしといこうか。そしてたまには月の民と殺し合いを、私は正直それは嫌なのだが、それをしてあの気が狂っている姫様の機嫌をとるように勧めようじゃないか。
 私だけが独占するのは申し訳ないから。
 どんなカタチであっても、妹紅はみんなのモノだから。
 恋心っていうのは複雑で、愛っていうのは複雑で、素直に表現できないからこそみんなもがいてる。
 妹紅、それを受け止めて欲しい。
 だってみんな妹紅を。


――みんな妹紅を愛してるんだからな。




  〈了〉



 【戻る】