十六夜咲夜超会議



「痛さは強さだと思うんだけど、どうかしら?」
「どうかしらといわれても……」

 ジメジメした気候にうんざりしていたある日、ご主人様であるレミリア・スカーレットの友人であるパチュリー・ノーレッジは私に意味がわからないことを問いてきた。
 ここ、紅魔館のメイド長である私、十六夜咲夜には問いの意味がわからず首をかしげるばかりである。そんな私とは対照的にパチュリー様はにこやかに詰め寄ってくる。正直、暑苦しい。

「他人から見て痛いことって、痛いことしてる側にとっては幸せなことだと思うのよ。だから私がホモ好きでもそれは私の強さなわけ。あーあ。私、ホモに恋い焦がれてるのよ。どうかしら?」
「どうかしらというより、どうかしてると思いますけど……」

 そしてパチュリー様はいわゆる腐女子である。
 腐女子とはザッと説明するとホモが大好きな女性のことである。細かくいうと色々と分類されたりややこしいので割愛。とにかくパチュリー様の脳みそは腐っているということだ。

「ほら、ホモをよこしなさい! ホモがないと死んでしまうわ! 私、死んでしまうわ!」
「死んだほうがいいんじゃないですかね……」
「ホモが手に入らないと私、邪団法人ホモセ乙の怪人になってしまいそう」
「そうしたら私がクロックアップして倒してあげますから」
「どうせならスイッチで倒してほしいんだけど」

 どうでもいい会話をしながらこの場をやり過ごしたいのが私の本音である。腐った状態のパチュリー様に巻き込まれるとろくなことがない。
 この前もホモが欲しいと言い出したパチュリー様が、レミリア様を騙して大量のホモ本を購入させて紅魔館の財政を圧迫させた。それから数ヶ月間、紅魔館の食事がジャガイモになったのは苦い思い出である。

「で! 私! いいこと! 思いついた! のよ!」
「い、いいこと……?」

 はい来ました。ツモりました。裏ドラ乗ってます。パチュリー様のいいことほど信用出来ないものはない。

「咲夜、あなたって男でも違和感ないと思うのよ。その見た目、むしろ男であったほうがいいんじゃないかしら?」
「あ、頭が痛くなるような発言はやめてください」
「痛さは強さよ! きっとその頭痛はあなたが強くなるための試練!」
「パチュリー様はもうちょっと相手を思いやる心を持ったほうがいいのでは……」
「そう、思いやり。私は咲夜を思いやって言ってるのよ。あなたは男になったほうがいい」

 目の前の妄想腐女子暴走系にまともな言葉のやりとりは通用しない。
 最初からこの人に絡まなければよかった、と後悔しても遅い。

「咲夜、あなたは虎よ! 虎になるのよ! いや、男になるのよ!」
「男になるって……どうやって……?」
「そんな時のための魔法よ! 火+水+木+金+土+日+月を操る程度の能力は伊達じゃないわ!」
「魔法で男体化するなんて都合のいい展開は勘弁してほしいのですが」
「は?」
「すいませんでした。何でもないです」
「ゴホッ! グフッ、ゴホォッ! 持病の喘息が! 死!」

 フリーダムすぎる。もう逃げだしたい。
 でも逃げたら後が恐ろしいので逃げれない。この魔女に関わった時点で私の男体化は決まっていたのだ。後悔先に立たず。

「というわけで咲夜ちゃんは男になってしまったのでした」
「えっ」

 いつの間にか、私は男になってしまったらしい。喘息で死にかけてたくせに、手を回すのは早い。
 本当に男性の身体になってしまったのか疑うため、股間に手を伸ばしてまさぐってみる。

「この柔らかな膨らみ……」
「咲夜、おちんちんランドへようこそ!」
「辛い……」

 メイド服のまま男の身体になってしまったのだから、ただの女装メイドと化してしまった私。明日はどっちだ。どっちでもないです。
 身体中を触ると胸もゴツゴツし、腕も太ももも筋肉がついて硬い。女性特有の華奢さが失われてしまっている。
 なんということでしょう。私は匠の手により男になってしまいました。劇的すぎやしませんか。

「魔法は成功したようね。それじゃ、性交しに行きますか!」
「泣きたい……」
「掘られたらイイ声で鳴けるわよ」
「男になるだけで勘弁してもらえませんか……?」
「私はホモが見たいって言ってるでしょ! いい加減にしてよ! 男になったあなたがホモしないと意味ないのよ! ほら、人里で男漁ってホモしてそれを私に見せなさいよ!」

 無茶苦茶なことを言い出すパチュリー様を止める術を私は知らない。
 何とかやり過ごせないかと思考するが、きっと無駄だろう。こうなったらパチュリー様に従って、嵐が過ぎ去るのを待つしかないのである。
 どうせ逃げられないと悟った私は、気になっていた疑問を口にしてみる。

「ところで、どうしてそんなにホモが見たいんですか?」
「じゃあ咲夜はどうして呼吸するの?」
「なるほど」



 ★★★★★★★★★★



「というわけで人里にやってきました。紅魔館から来ますた、みたいな感じね」
「記念カキコ的な感じでしょうか……?」

 私はパチュリー様に連れられて人里までやってきた。昼下がりの人里だけあって家族連れから働く男、様々な人たちがいる。
 いかんせんメイドと魔女の二人では目立ってしまうので、路地裏に隠れる。
 パチュリー様が何かの準備をしているのを見て不安になる。これから何が起こるのだろうか。

「さあ、脱ぎなさい。私の脳内超会議の出した結論。咲夜、あなたは犬になってホモセックスすればいいと思うのよ」
「脳内が腐ってるんじゃないですか……?」
「腐女子であることは認める」

 私はしぶしぶメイド服を脱ぐ。

「あ、ヘッドドレスはとらないでね。メイドのたしなみでしょう?」
「メイドのたしなみを舐めてますよね……?」
「舐めるのは私じゃなくてあなた。あなたが男のチンポしゃぶらないと始まらないでしょ?」
「普通チンポは女性が舐めるべきじゃ」
「舐め……舐、め……舐めるだなんて! きゃあ! はしたない! はしたない!」

 さっきまでホモの話をして、これから私を脱がそうとしているくせに急に処女のように赤面して照れだすパチュリー様。本当に処女なんじゃないかと思うくらい耳まで真っ赤だ。

「はい、脱ぎました」

 言われた通りに全裸になる。
 女性とは違い、筋肉の付き方から何から何まで、特に股間には異物が生えていて違いが多すぎる。喉仏にすら違和感を覚える。これが男の身体かと感心すらしてしまう。

「じゃ、これ付けて」

 パチュリー様が首輪を取り出し、私に渡してくる。
 犬の、それも獰猛な犬専用の首輪。しかも私の首のサイズに調整されているらしい。トゲトゲがおぞましく感じる。

「で、これも挿入して」

 次に手渡されたのはアナルバイブ。野太いバイブである。男性器をかたどったバイブの反対側には犬のような尻尾がつけられており、おそらく肛門に入れると犬の尻尾が生えたようになるのだろう。

「あの、これってひょっとして」
「咲夜、あなたは犬よ! 犬になるのよ! そぉれっ」

 パチュリー様が指をくるくると回すと、私のヘッドドレスがボワンと変化する。といってもたいした代わり映えはしない。犬耳がついただけだ。

「さぁ、咲夜。散歩の時間よ?」

 こうして私は犬になった。



 ★★★★★★★★★★



 周囲がざわつく。
 無理もない。

「ほら、行くわよ」
「うぅ……恥ずかしいです……」
「犬なんだから、鳴き声は「ワン」しか許さないわよ?」
「ワ……ワン……」

 いきなり男が全裸で、しかも犬になりきって女に散歩のように連れ回されているのだから。四つん這いになって、恥ずかしいところもギャラリーに丸見えで、私はパチュリー様のオス犬になりきる。
 逆らうことも出来ず、ただただ羞恥心が襲う。

「うふふ、みんな見てるわね。世にも珍しいオス犬をね♪」

 人々のざわめきを聞いてパチュリー様はほくそ笑む。本当にイイ趣味を持っている。もちろん皮肉だ。

「ワ……ワォン……っ」

 仕方無く私は吠える。四つん這いで膝をついて、尻を振りながらパチュリー様に付いていく。
 いったい何の罰ゲームなんだ、と思う。これもメイドの仕事の一環なのだろうか。
 そんなことを考えながら恥さらしに耐えていると、里の人たちが私に気がついて集まり始める。

『おい……何だアレ……変態かよ……』
『いい趣味してるな、あの紫色の女』
『ママー、あれなぁに?』
『シッ! 見ちゃいけません!』

 ドン引きする人、指を指す人、笑う人、親子連れ……様々な老若男女が私を見て、色々な反応をする。
 それを堪能してニヤニヤするパチュリー様とは対照的に、私はいたたまれない気持ちになる。

『あの男……何だか可愛くないか?』
『ああ……何だかムラムラしてきた……』

 気がつくと数人の男たちが私の痴態を見て股間を押さえている。
 ひょっとして……私に興奮しているのかしら?

「うふ、うふふ、男たちが勃起してるわよ。やっぱり人間はホモかそれ以外に分けられるわね♪ 仕分けするべきだわ」
「くぅん……」

 私に発情している男たちを意識すると、こちらも不思議な気持ちになる。何だか股関節のあたりがジンジンしてくる。
 数人の男たちと私を見比べてパチュリー様は微笑む。嫌な微笑み。きっとろくなことを思いついていない。

「ほら咲夜。犬なんだから犬らしくアピールしてみなさいよ。媚びないとホモセックスは出来ないわよ?」

 出来なくていいです。

「……出来ないわよ?」
「ワォん…………」

 飼い主の命令は絶対。それが犬のルール。
 パチュリー様は私の首輪に繋がっている手綱を引っ張ると、私を犬として扱いながら命令を下してきた。

「咲夜、チンチン♪」
「わぉぉおぉん……っ」

 仕方無く私は蹲踞をして尻を振る。もちろん犬なのだから舌を出す。それがメイドだ。主人の、主人の友人の命令ですら絶対なのだから。本当は嫌ですけど。
 全裸でそんな体勢をとるのだから、陰茎も当然丸見えになる。恥ずかしい、だけど勃起まではしていない。露出癖は兼ね備えていない。

「ほら、勃起させなさい、勃起♪ ギャラリーの皆さんに失礼でしょう?」

 見かねたパチュリー様が首輪をグイグイと引っ張る。やはり勃起していないとダメらしい。
 突然勃起させろといっても、朝勃ちでもない限りは無理な話だ。そこまで犬のように発情出来る身ではない。
 だけど、チラリと男たちのほうを見る。そして周囲を見渡してみる。
 何人も、何十人もの目が私を見る。私のチンポを見る。絡みつくような視線に犯されている。

「く、くぅ〜〜んっ……」

 そう考えると急に自分がどれだけか変態行為をしているかわかる。ましてや男性の身体でこんなことをしていると思うと、より行為がディープであると自覚する。
 すると私の肉棒はみるみるうちに剛直となっていった。
 これぞまさにチンチンのポーズである。変態男犬の咲夜がもっとも得意とする芸当だ。

「ほらほら、前屈みになってる男もいるわ♪ すっかりあなたの虜ね。やっぱり咲夜は男になっても男を魅了する美貌があったということが私の脳内会議、脳内超会議で証明されたわ♪」

 脳内でするのは超会議じゃなくて町内会議レベルにとどめておいて欲しい。私は勃起チンポを左右に振りながらそう思った。尻尾と男性器、どちらも振り回す自分が言えたことではないかもしれないが。

「はぁ……♪ 男を犬扱いして散歩するだなんてゾクゾクしちゃう……♪ やっぱり咲夜みたいな女装男子はペット扱いするに限るわね〜」
「わォン」

 やはりパチュリー様の性癖は歪んでいる、という意味も込めて一吠えしてやった。
 だけど、パチュリー様は私の一芸で満足するわけもなく、次の行動プランに想いを馳せている。

「ん〜、咲夜を犬として引きずり回すのもいいけど、やっぱりホモが見たいのよ……ホモ……それはもう……ホモ……ホモォ……」

 無茶を言っている。
 さすがにこんな公衆の面前で同性愛セックス出来るほど人里の者たちは落ちぶれてはいない。

「ということでここに私の魔法によってホモになってしまった男性たちを用意しました。それでは、張り切ってどうぞー!」
「えっ!」

 気がつくと周囲の人々がいなくなっている。いるのは私と、パチュリー様と、先ほど股間を押さえていた男達数人だけだ。
 魔法って言葉、便利すぎませんか……?

「あの、パチュリー様、この人たちに、ひょっとして、私は、今から、その、あの」
「それでは、張り切ってどうぞー!」
「えっと、その、あの」
「それでは、張り切ってどうぞー!」

 答えは「YES」しかないらしい。

「いいじゃない。どうせチンポに負けるのは目に見えてるのだから」
「私、そんなに安い女じゃないんですけど」
「もう身も心も男だからいいじゃない。男ってチンポに負ける存在でしょ?」
「うわ、差別発言」
「ほら、犬になりなさいな」

 パチュリー様に首輪を引っ張られて仕方無く四つん這いになる。
 抵抗する間もなく、私の元に数人の男達が寄ってくる。私を取り囲んだ男達は全裸であり、各人みんな勃起している。
 男達の一人が我慢出来なくなったのか、私の頬にそそり勃つ肉棒の先端を押しつけてきた。かわそうとするが追いかけてくる。

「やめてくださいぃ……ほっぺにチンコ押しつけないでくださいぃ……」
「そんなこと言っても勃起してるじゃない。尻尾みたいに振り回しちゃって。本当に変態ワンコね。オワコンのワンコだわ。オワンコね」

 雄々しく隆起した勃起が頬に押しつけられる。私も何故か満更ではなく、鼻をひくつかせて官能に浸っている。
 きっと魔法のせいだろう。そうに違いない。じゃないと私はもともとホモの気があったみたいじゃないか。
 いや、もともと女だったんだから男にあるのは当然で……でも今の私は男だから男に興味を持って発情するのはオカシイ……?
 そんなことを考えていると別の男が口角に男性器を押しつけて楽しんでいる。
 周りを見渡すと何本もの反り返った男性器。

「んひぃ、チンポ……チンポが沢山……♪」

 すっかり男性器に囲まれる光景の虜になってしまった私。
 そうだ、どうせパチュリー様には逆らえないのだ。だったらこの状況を楽しんでしまおう。自分が楽しみたいわけではない。仕方無く、だ。
 そう、仕方無く。
 自分に言い訳しながら口角に寄せられた亀頭を唾液をまぶした舌で舐め上げる。

「あんっ♪ ちょっとしょっぱいですね♪ やだ、私ったら男なのにおちんちん舐めちゃってますぅ……♪」
「そうよ咲夜! ナイスホモ! いいホモ出てるわよ〜! 今のポイント高いわね!」

 外野がうるさいが、気にせずに舌を動かす。ぷにぷにとした亀頭の触感が伝わるたびに、口内のヨダレが止まらなくなる。ああ、男になってしゃぶるチンポは何て美味しいんだろう。

「じゅるる、れろあむぅっ♪」

 まるで麻薬中毒患者のようにチンポにむしゃぶりつく私。竿を舐めるたびに身体を震わせる男を見てゾクゾクする。男の私でも魅力は衰えてない。
 フェラチオで男をオモチャ扱いしていると、見かねた別の男が私の股下に潜り込んできた。

「ひゃあんっ♪」

 何をするのかと思った刹那、カウパーをダラダラと垂らす私の肉棒にベロベロとむしゃぶりついていた。
 男らしいフェラチオに、思わず私は口に入れていたチンポを離してしまう。

「ホモフェラされちゃってますぅっ♪ わ、私のチンポしゃぶらないでくださいよぉ……♪ 男の人に舐められるだなんて……思わず鳴いちゃいますぅっ♪ わんっ、わおんっ♪ わおぉおんっ♪」
「まさにホモ犬ね」
「そうですぅっ♪ 咲夜はホモ犬なんですぅっ♪ 男の人に媚び売ってチンポ振り回しちゃうホモ犬なんですうっ♪ くぅううぅんっ♪ わんっ、ワォンっ♪ くぅうぅんっ♪」

 ご奉仕するメイドがご奉仕されてしまう。しかもホモプレイ。こんな性倒錯にはなかなか巡り会えない。
 すでに私は発情しきってしまい、ホモセックスのことで頭がいっぱいだった。
 もっと堕ちたい。もっと狂いたい。もっと男性器に溺れたい。
 脳内が煩悩にまみれてしまう。

「それじゃ、ホモ犬はホモ犬らしく掘られちゃいなさいな♪」
「んぅうぅんっ♪」

 パチュリー様が力強く私の尻尾バイブを引き抜く。肛門がひっくり返りそうになる感覚に悶えて、肌に汗がにじむ。
 広がった尻穴を見てますます熱狂した男たちの一人が、たまらず私のぽっかりと開いた肛門に肉樹をねじ込む。

「んぅうっ……くぅっ……ほ、掘られちゃいましたぁ……」

 じりじりとねじ込まれていくチンポの感覚が全身に走る。異物が身体の中に入っていく気持ち悪さの他に、尻穴から伝わる心地よさが私の脳を麻痺させる。

「ね、根本まで……入りましたぁ……♪」

 沈んでいくように挿入された陰茎は、男のタマ袋に当たるくらい根本までズッポリと入った。ケツを掘られていると実感出来る瞬間である。
 かと思うと男は先ほどとは真逆に、おちんちんを一気に抜ける寸前まで引き抜く。

「おおおぉぉおっ〜〜〜っ♪ 腸内をチンポが通りますぅ……っ♪ このにゅるんとした感覚、たまりませんよぉぉおっ……♪」

 引き抜かれた瞬間、身体に電撃が走ったかのような快楽が襲う。尻穴から異物が飛び出す瞬間の排泄欲が満たされた感じ。
 私は一発で肛門性交に魅了されてしまった。掘られる味を覚えてしまったのだった。

「んぅうううぅっ♪ 入るうぅぅうっ♪」

 押し込まれる。

「うっひぃいいんっ♪ 出るうぅぅううっ♪」

 引き抜かれる。

「ら、らめぇっ♪ らめなんですぅっ♪ アナルほじり良すぎるぅうぅっ♪」

 押し込まれる。

「わおおぉおんっ♪ ホモセックスで犬になりますぅうっ♪ ワオオォオンっ♪」

 引き抜かれる。
 繰り返し行われるアナルセックスに、私は身をよじらせて楽しんでいた。犬らしく四つん這いになって、動物的に掘られる。男なのに男に犯される感覚がより私のチンポ欲を高まらせてくれる。
 ひたすら肛門悦楽に目覚める私を見て、パチュリー様は本日何度目かわからない嫌な笑みを浮かべる。

「そんなにホモセックスが好きなら、もっと激しいのが好きなんじゃないかしら?」

 男たちに何かを命令するパチュリー様。しかし私にそれを気にしている余裕はなく、ひたすら抜き差しされるチンポの感覚でアヘるしかない。
 だが、次の瞬間。

「んっぎいぃぃぃぃいぃいぃいっ♪」

 押し込まれる。
 だけど、さっきとはまったく別物だ。肛門が二倍に広がっている。何か巨大なモノがねじ込まれたのだ。
 首を後ろに向いて確認すると、男が私を掘っている。だけど人数が違う。
 私に挿入していたのは一人ではなく、二人。今、私の肛門に二本のチンポがねじ込まれている。だから二倍広がったのだ。男性器二本刺しされてしまった。

「それじゃ、どんどん咲夜を掘ってちょうだい」
「ちょっ、ちょっとまって……んぎっひいぃいぃいぃっ♪」

 二本のチンポが私の肛膣をほじくる。さっきよりも大きく激しいアナル責めに意識が飛んでしまいそうだ。
 男たちも同じらしく、互いのチンポと私のアナルが擦れる感覚にすでに限界は近づいている。
 二本のチンポが私のキンタマの裏の辺り……前立腺を責め立てる。

「あっへ、あへぇっ♪ そこほじっちゃダメですっ♪ 掘り掘りしちゃダメですっ♪ んぅっ♪ いひっ、らめぇっ♪ わおぉんっ♪」

 限界が近い二本のチンポは、痙攣しながら私の前立腺を責める。どうやら自分たちがイッてしまう前に私をイカせようという魂胆らしい。
 それに抗うことが出来ない私は、せめてもの抵抗として尻穴を締め付けてやる。チンポたちも負けじと弱い部分にアタックしてくる。繰り返し繰り返し行われるホモセックス。ソドミィな感覚に溺れていく。
 そして、同時に限界が来たのだった。




 どぷっ、ドププッ! ゴビピュ〜〜〜〜ッ! ぷっ、ドピュルル、ぶびゅるるぅ! どくどくっ! ドピュ〜ッッッッ! ドピュピュッ! ビュビュビュ、ビュルル、びゅるるるるっ!




「くぅううぅ〜〜〜〜〜〜んっっっっ♪」

 吠えるように嬌声をあげて、肛門に射精される快感をアピールする。私も同じタイミングで、アナルだけで射精してしまった。

「ホモイキしましたぁっ♪ イキチンポしましたぁ……っ♪」

 身体中汗まみれで、放心するように地べたにへたり込んでしまう。
 これが男同士の肉体の交わりあい。普通の性交より体力を使うじゃないか。だけど快楽も人一倍ではないか。ホモセックスに夢中になる男性が多いのも無理はないなと思った。

「尻穴たくさんっ……ザーメンっ……妊娠確実ぅ……ホモなのに妊娠しますぅっ……♪」

 お腹の中が、そして尻穴が火傷するように熱い。だけど心地よい熱さ、ホモ性交の余韻。

「ちんぽみるく好きぃ……ほっかほかザーメンミルクがお腹にたぁくさん……♪ はひぃ……ワオン……ワォ〜ん……っ♪」
「お疲れ様、咲夜」

 数人の男たちに輪姦ホモセックスされた私はぐったりと倒れ込むしかなかった。
 身体を動かす事も出来ず、放心するのみである。快楽のあまり呂律は回らず、見た目同様犬のように吠えることしか出来ない。

「そうね。ホモセックス超会議が終わって私が言えることは」

 いつの間にか男達はどこかへ消えてしまったらしい。
 セックス後の余韻に浸ってる私を尻目に、パチュリー様がまとめに入ろうとする。

「私の同人活動のいい資料になったってことね。いいホモが見れたわ。イイ感じにチンポに負けてたわね。そんな咲夜が好きよ」
「んひぃ……えへひぃ……んほぉ……っ♪」

 私は言い返すことも出来ずに、ぶびゅうっと尻穴から精液を噴き出させる。
 開ききった尻穴から白濁液が漏れ、穴の内壁まで丸見えの光景が卑猥である。
 噴きだした精液を避けながらパチュリー様は本日のまとめに入ろうとする。やっぱりこの人に関わるとろくなことがない。ろくなホモしかない。

「世界にはまだまだホモに飢えてる人がたくさんいるわ! 私たちみたいなサブカル女子も、サブカル男子も! そして咲夜もホモが大好きになった! だからね、私もっと頑張るわ! ホモ需要にきっと応えてみせる!」

 ガッツポーズで、どこかに向かって叫ぶパチュリー様。喘息のくせに。

「私と咲夜の戦いは始まったばかりよ! 次回のホモセックスにご期待ください! 完! じゃ、帰りましょ!」

 次回はない。
 でも、

「んふぅ……もうホモセックスはこりごりですよぉ……♪」

 ホモセックスが気持ちいいことも確かだと思っている、満更でもない私がいるのも確かだった。
 振り回されるのはこりごりだけど。




 ――そんな咲夜とパチュリーの足下に、とても綺麗な花が咲いていた。これからの二人の幸せを祝うかのように、綺麗な花が咲いていたのだった……。



 ★★★★★★★★★★



「綺麗な花咲かせておけばいい話で終わるでしょ?」
「それは無理だと思いますけど……」



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