タカの惑星


 タカの惑星。
 それは宇宙に存在する無数の惑星のうちの一つ。そこにタカの惑星は存在する。

「ウオオオアアオオアアーーーーーッッッッ!」

 ここはタカの村。大帝国都市サンフラから離れた場所に存在する小さな村。
 そこでおたけびをあげる人物が一人。タカだ。

「ウオオオアアオオアアーーーーーッッッッ!」
 このタカは普通のタカよりもやや色黒で、筋肉がついていた。一族からは異端者として扱われており、つねに孤独だった。孤独が故に、彼は叫ぶ。

「ウオオオアアオオアアーーーーーッッッッ!」

 村の者たちからはうとましく思われており、彼が叫ぼうとも他のタカはまったく気にしなかった。シカトである。

「またタカが叫んでるぞ」
「ほっとけ。オマエもタカだろ」
「オマエだってタカじゃねーか」
「タカの惑星だからな」

 タカの会話がこだまする。
 そんな時だった。地を揺るがす大地震が村を襲ったのである。

「な、何だ!」
「地震!」
「俺のプリキュアグッズが!」

 突然の大きな揺れに村のタカは戸惑っている。かつてこの惑星には起きたことのないほどの大地震だった。

「ウオオオアアオオアアーーーーーッッッッ!」
「あ、あいつ!」

 タカたちが慌てふためいているときに、筋肉のタカは叫ぶ。そして震源の方角へ猛ダッシュした。雄叫びと共に。
 気がつくと筋肉のタカは消えていた。なぜならマッハ7のスピードだったから。

「あいつ一人で何が出来るってんだ」
「せやな」

 だが他のタカたちは気にしなかった。防災グッズを買いにいく始末。彼はあらゆる意味でシカトされていたのであった。



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 震源の場所、それは大帝国都市サンフラから数キロ離れた草原であった。
 そこには壊れた宇宙船が地面に不時着しており、ハッチから誰かが顔を覗かせる。

「ここは……いったい……」

 彼の名はながもん。宇宙調査団の一人だった。

「地球に……帰れたのか……?」

 ながもんは地球で宇宙パイロットをしており、宇宙を調べるために地球から飛び立ったのである。そしてトラブルが元でこの惑星に不時着したのであった。
 地震の原因も宇宙船の不時着が原因である。このデカブツが落下したために大きな揺れが発生した。

「ウオオオアアオオアアーーーーーッッッッ!」

 雄叫びが聞こえる。それがながもんの耳にも入る。

「だ、誰だ! 何だ!」

 ながもんは慌てる。

「俺はタカ」

 気がつくと目の前には筋肉質な男がいた。彼はながもんに花を手渡した。これがタカの惑星の挨拶だ。

「えっ……花……」

 ながもんは恋に落ちた。
 人に優しくされるのは初めてだからだ。彼は生まれてすぐに宇宙パイロット育成地下施設に監禁されていた。人の心というのを感じずに成長してこなかったながもん。その彼が人に優しくされた。間違いなく恋に落ちてしまう。

「オマエ……ナニモノ……?」
「タカさん、愛してる……」
「アイ……?」

 タカの惑星には愛など存在しない。だから愛などわからない。ながもんが心を感じなかったように、タカには愛が感じられなかった。そう、今の今までは。

「オマエ、名前は何という?」
「ながもんです」
「俺は愛というものがわからない。だからオマエを掘る」

 タカが両手を出し、念を送る。するとながもんの衣服がはじけ飛ぶ。
 全裸になったながもん。その身体からは男でありながらメスの快楽を味わいたいと言わんばかりの胸板や尻肉がピクピクと震える。

「いい身体しやがって。俺は愛はわからない。だが、性欲ならわかる。俺はホモだ。そして、オマエもホモだ。ながもん、タカの惑星へようこそ」
「はいっ! タカさんっ! 肛門にでっかいペニスを入れてください!」

 ながもんは宇宙パイロットの訓練を受けている。そのために肛門から自在にローションを出すことも出来た。すでにアナルセックスの準備は万端だ。

「どうだ、これが俺のイチモツだ」

 タカは勃起したペニスをながもんに見せつける。

「んふぅっ♪ すっごいペニスですっ! タカペニスっ! んじゅるるる、ずぞぞ、レロレロっ♪ んほおおおおおおっ〜〜〜〜〜っ♪」
「オウイエスっ! もっと腰入れてしゃぶらんかい! ながもんよ、男なのに男のチンポしゃぶるのってどんなもんかね? ん?」
「ビュビュビュ、ビュルル、ビュルルルッ! ドクドクドクドクッ! ピュルルルルッ! ぶびゅるるぅ! どくどくっ! ドピュ〜ッッッッ!」
「なるほどぉおぉおぉおぉ!」

 二人は下品なオス快楽に身をゆだねる。これがホモだ。ホモセックスなのだ。
 しかし平和はそう長くは続かなかった。

「貴様ら、大帝国都市サンフラの近隣で何をしている!」

 兵士タカたちがホモセックス中のタカとながもんにヤリを向ける。彼らは大帝国都市サンフラ専属の殺戮兵器タカ。目をつけられたら最後、死だ。

「タカさん、ヤバイっすよ!」
「俺に任せろ! 波動!」

 タカは己の筋肉を三倍に膨らませる。そして地を殴る。惑星が割れた。

「うわっわわわ」

 地割れが起きて、兵士タカたちは飲み込まれる。南無三、彼らは死んでしまった。
 そしてタカは両手を地面につき、地割れをもとに戻す。彼は自然の神の恩恵を受けていた。

「これでホモセックスが出来るな」
「タカさん、さすが!」

 邪魔は入ったが、これでホモセックスが出来る。二人は安心した。
 だが、気がつくと彼らは建物の中にいた。城の中の王室のような場所だ。

「この星でホモセックスはさせない」

 王座に座っていたのは一人の男だった。だが、タカではない。

「ここはいったい……?」
「俺たちはホモセックスしてたはずでは」

 ながもんと筋肉タカは戸惑う。するとそんな二人に魔術師の格好をした男が話しかけてきた。彼は魔術師タカ。

「私の魔術でふたりをこの大帝国都市サンフラの王室へ招いたのですよ。ねぇ、ながみん様」
「ああ」

 王座に座っていた男、彼の名前はながみんというらしい。

「ながみん、何故俺たちを呼んだ」

 筋肉タカが威嚇する。するとながみんはゆったりと口を開いた。

「この星でホモセックスは禁止だ。そう、僕以外は」

 独裁者。ながみんは生まれながらの帝王、独裁者なのであった。タカの惑星の長、それがながみんであった。

「なぜホモセックスがいけないんだ!」

 ながもんは自分の尻をいじりながら、目の前の独裁者に質問をする。

「ホモセックスは人類を滅ぼすんだ。そう、かつてのこの惑星のように」
「ま、まさか」

 全てを理解した。ながもんは全てわかってしまった。この星はもともと地球なのだ。それがホモセックスのブームにより滅びてしまった。

「そう、キミの考えの通りだよ」

 魔術師タカはながもんの思考を読み取る。そして言葉を続ける。

「ホモセックスが流行ってしまった人類は滅ぶしかない。だが創世主タカは違った。自分自身を培養することにより人類の消滅を防いだのだ。そのかわり、この星にはタカしかいなくなってしまったがな」
「おしゃべりが過ぎるぞ」

 ながみんの眼球から高熱レーザーが発射された。それが魔術師タカの脳髄を焦がす。そして魔術師タカは死んだ。

「な、なんて残忍な……」
「使えないコマは殺すに限る。そうだろう、ながもん?」

 ながみんはいやらしく笑う。だが、ながもんは決意のまなざしで反論した。

「昔の俺ならそうだったな。だが、今の俺は違う。ホモセックスを覚えたから。人類はホモセックスで……進化する! タカ、イクぞ!」
「おうよ!」

 ながもんがヌレヌレの尻穴をタカに向ける。そしてタカの勃起チンポが挿入される。

「や、やめろ! 俺は時空犯罪者だぞ! ながみんだぞ! その俺に逆らうということは……この惑星が消滅するんだぞ! 猿のような文化しか持ってなかったタカたちをここまで進化させたのは俺だ! 科学だ! だからその非生産的なホモセックスをやめろぉおぉおぉ!」

 いきり立った肉棒がアナルから出し入れされる。

「んっ……♪ あひっ♪ ケツメド感じるぅ♪」
「ペニスが暴れ狂ってるぜ♪ おおっほ♪ おっほ♪」

 そして二人の身体はドロドロに解け合い、一つになる。

「お待たせ、ながみん。ながタカーモ、ただいま参上。これが俺たちの進化だ」
「な……ながタカーモ」

 ながみんは膝をついて愕然とする。そして口から血を吐く。勝てないと悟る。

「この時空でも……俺はタカに……ながもんに負けるのか……」
「何のことを言っているのかわからないが……死んで貰おう。波動!」

 ながタカーモの両肩から波動が飛び出す。それがながみんの身体に穴を空ける。

「グフッ! お、覚えてろ!」

 ながみんは時空を歪ませ、消えた。ながタカーモの勝利だ。

「終わった。これが進化。切ないものだなぁ」

 ながタカーモは座り込む。
 ホモセックスの行き着く先。タカの惑星の終着点。それは滅びだということに気がついてしまったから。ながみんを倒したところで事実は何も変わらなかった。

「……滅ぶのなら、俺の手で」

 ながタカーモの身体が光る。そう、ビッグバンだ。

「さよなら、タカの惑星。さよなら、地球。さよなら、タカ」

 そしてタカの惑星は滅んだ。一人……二人の男と、大量のタカと共に。


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「……って話さ。おやおや、タカ坊……寝ちゃったのかい。おやすみ、タカ」

 老婆はベッドで寝てる子ども……タカに語りかけるのをやめる。
 そしてタカに布団をしっかりとかけてやる。明日は今日より良い日になりますように。そんな願いを込めて……。



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